世界ランキング100位以内に13人も名を連ねる日本女子。中国に次ぐ実力と層の厚さを誇り、世界からの注目度も高い。そんな「女傑」たちの頂点を決める戦いが、今年もまた始まろうとしている。
女子シングルスのAブロックは、前回5年ぶりに女王に返り咲いた石川佳純(全農)が連覇を目指す。圧倒的な経験値と技術力を持つ石川は、今年も有力な優勝候補。去年に引き続き優勝し、6度目の優勝を飾ることはできるのか。
石川の対抗馬となるのはTリーグで活躍する加藤美優(日本ペイントマレッツ)、全日本ジュニア2連覇の大藤沙月(四天王寺高)だろう。ともに両ハンドのラリー戦に強く、攻守のバランスに優れたスタイル。特にベスト8決定戦(6回戦)で、石川と加藤の対戦が実現すれば注目カードだ。
Bブロックは前々回優勝の早田ひな(日本生命)のブロックだ。昨年はアジア選手権3冠王、世界選手権ダブルス・混合ダブルス銀メダルと、国際大会でも素晴らしい成績を残した。アジアを制した両ハンドドライブで2回目の頂点を目指す。
早田の対抗馬としては、全日本社会人女王の長崎美柚(日本生命)、2019年世界選手権ダブルス銅メダリストの橋本帆乃香(ミキハウス)が挙げられる。ベスト8決定戦で早田と当たる橋本は、昨年行われた世界卓球日本代表選考合宿において、早田にフルゲームの末勝利している。両者が順当に勝ち上がれば、大熱戦になることは間違いないだろう。2018年度ジュニア女王で、シェーク表粒という独創的なスタイルで相手を翻弄する出澤杏佳(専修大)も、ノーシードながら上位進出を狙う。
Cブロックには昨年3位の木原美悠(EA/星槎)、東京五輪銀メダルの平野美宇(日本生命)がいる。前回大会ではベスト8決定戦で、木原が平野にストレートで勝利。2018年度大会でも木原が平野に勝利するなど、全日本では木原が優勢だが、平野も世界選手権では陳夢(中国)と大激戦を演じ、調子を上げてきている。どちらが勝ってもおかしくないだろう。また、4年連続ベスト8の佐藤瞳(ミキハウス)もこのCブロックだ。世界トップレベルのカットで、今年こそベスト8の壁を破れるか。
Dブロックには、東京五輪で混合ダブルスの金メダルを含む3つのメダルを獲得した「大魔王」、伊藤美誠(スターツ)がいる。優勝候補の大本命と言っても過言ではない伊藤は、独創的なプレーと持ち前の明るさで3度目の頂点を目指す。
その他にも、世界選手権で伊藤をフルゲームまで追い詰めた芝田沙季(ミキハウス)、インターハイ三冠の横井咲桜(四天王寺高)、アジア選手権3位の安藤みなみ(TOP名古屋)がしのぎを削る。芝田は順調に勝ち上がればベスト8決定戦で伊藤と当たるが、世界選手権の悔しさを晴らし、表彰台に立つことはできるのか。Tリーグに参戦して勝利を重ね、国際大会でも活躍する安藤は、自身初の女子シングルスの表彰台を目指す。
前回は決勝で悔しい敗戦を喫した伊藤美誠。五輪金メダリストの称号とともに今大会に臨む | |
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Tリーグで快進撃を続ける安藤みなみは、意外性と爆発力が持ち味だ | |